開催日時:1月11日(土) 13:00~17:00
開催場所:fabbit会議室 丸の内
テーマ:社外役員活動の実際を知る
■『社外取締役として活躍する中小企業診断士 ―社外役員活動の実際―』
CBcloud株式会社 コーポレート本部統括マネージャー
中小企業診断士 深井未来生講師
1月11日(土)に開催された第8講の前半では、CBcloud株式会社のコーポレート本部統括マネージャーであり、中小企業診断士としても社外役員経験を持つ深井未来生氏が「社外役員活動の実際」について話しました。深井氏は、複数の上場企業での社外役員経験やIPO準備に関する知見を基に、社外取締役が果たすべき役割や具体的な活動内容を解説しました。特に、社外取締役に求められるのは取締役会への形式的な参加ではなく、トップマネジメントとの信頼関係構築や、事業内容への深い理解を基にした実践的なアドバイスであることが強調されました。また、中小企業診断士としての幅広い知識が社外役員の業務でどのように活かされるかについても触れられ、財務や組織人事などの学びが現場で有効であることが示されました。
■『女性社外取締役としての活躍の実際』
株式会社学研ホールディングス 社外取締役
洋画家・タレント・俳優 城戸真亜子講師
第8講の後半では、アーティストで学研ホールディングスなど3社の社外役員を現任している城戸真亜子氏が登壇し、社外役員としての実務経験や独自の視点を活かした取り組みについて語りました。城戸氏は、女性役員の需要が高まる背景や、消費者視点を取り入れた企業運営の必要性について詳述し、SDGsやダイバーシティ推進の観点からの役割も指摘しました。また、自身のアーティストとしての感性を活かし、現場主義を基軸とした経営支援や意思決定のサポートを行う事例も紹介。多忙なスケジュールをこなしつつ、複数の役員職を務める上での工夫やリモート活用の実例も共有され、参加者にとって実務的で有意義な内容となりました。
■『女性社外取締役としての活躍の実際』
Human Delight株式会社 代表取締役
野田万起子講師
第8講では、Human Delight株式会社の代表取締役である野田万起子氏が自身のキャリアを通じた経験と中小企業診断士への期待を講演しました。野田氏は、地方創生やキャリア形成に取り組まれており、多様な業界の社外取締役を務めています。講演では、リーマン・ショックや震災といった危機を乗り越えた体験や、独立後に挑戦したビジネスモデルの再構築が印象的でした。社外取締役としての活動では、経営者との信頼関係やガバナンス、人的資源管理が重要であることを強調。また、女性の活躍推進やSDGsの取り組みなど、現代の経営課題に応じた対応が求められると述べました。さらに、キャリア形成のための人脈構築や経済団体との連携の重要性を挙げ、中小企業診断士が果たすべき役割を力強く訴えました。
『社外役員経験者パネルディスカッション』
第8講では、深井氏・城戸氏・野田氏の3人の講師に藤田隆久氏(エキスパート・リンク株式会社代表取締役社長・社外取締役養成講座監修者)をモデレーターに迎えたパネルディスカッションが開催されました。
議論は、社外取締役としての役割やガバナンスの強化を中心に展開されました。各講演者から、経営者との意見の違いをどう調整し、企業の成長を支えるかが語られ、特に「独立性を保ちながら信頼関係を築く重要性」が強調されました。また、危機対応の経験を基に、短期的な対処にとどまらず、再発防止策の提案や実行を進めるべきとの意見が共有されました。
藤田氏は総括として、「社外取締役は監督機能にとどまらず、企業の持続可能な成長を後押しする存在であるべき」と述べ、参加者が社外取締役の使命や役割を改めて考える有意義な時間となりました。