開催日時:2月8日(土) 13:00~17:00
開催場所:fabbit会議室 丸の内
テーマ:開示書類の読み解き方と取締役会ケーススタディ
■『有価証券報告書・上場企業開示書類の読み解き方の基本』
元大和証券引受審査部 部長
中小企業診断士 竹内 直講師
第9講の前半は、元大和証券引受審査部部長で中小企業診断士の竹内直氏が「有価証券報告書・上場企業開示書類の読み解き方の基本」について講演しました。
講演では、上場企業は積極的な開示姿勢が必要であり、投資家は開示された情報を踏まえて判断していることを説明。有価証券報告書をはじめとする開示書類には、経営成績、財務状況、リスク情報、ガバナンス体制など、企業の実態を把握するための重要な情報が含まれていることを解説しました。特に、損益計算書や貸借対照表の読み方に加え、経営リスクや事業戦略の記載内容を精査することで、経営陣の意思決定プロセスを理解できると述べています。その上で、社外取締役は開示内容について十分に注意を払い、適切な適時開示を経営陣に促す責務があると指摘しました。
■『疑似取締役会―ケースで学ぶ社外取締役の役割―①』
ストラットコンサルティング株式会社 代表取締役
経営管理・FP&Aアドバイザー 池側千絵講師
エキスパート・リンク株式会社 代表取締役
中小企業診断士 藤田隆久講師
第9講の後半では、取締役会において社外取締役がどのような役割を果たすのがよいかを学ぶため、模擬取締役会のワークショップを開催しました。具体的な事例を踏まえながら、社外役員が事前に検討しておくことや、どのように関与していくのかを受講生全員で検討し、発表しました。
二つのケーススタディについてディスカッションを行いました。一つは中期経営計画の策定について。従来は社内でほぼ決定した中期経営計画を取締役会で確認・承認することが多い状況でした。現在では、中計の策定を始める時点から社外取締役が関わって知見を提供し、企業の発展に貢献することが望ましいとされます。もう一つの事例は次期社長の指名に関して、どのように関与するべきかというものでした。社長が決めた社内人材をそのまま登用するのではなく、社外役員によって主に構成される指名委員会が、指名の透明性と客観性を確保することが求められるということです。
今回の講義を通じて受講生は、社外取締役が果たすべき役割について実践的な理解を深める機会となりました。